田んぼの一年

 

『田んぼの一年』

 

 向田智也

 

サステイナブル(sustainable)という言葉があります。
デジタル大辞泉には「[形動]《「サステナブル」とも》持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについていう。『サステイナブルな社会作り』」とあります。
米作りはまさに「サスティナブルな産業」だと思います。
米粒だけでなく,稲わらなどすべてを生活に取り入れ,祭事や飾り,生活必需品などを作って余すことなく使い切り,役目を終えたものは土に返して次の土壌を豊かにする…昔の人は本当に賢いなあと思います。
このサスティナブル,産業や開発だけではなくて,アートにも当てはめて考えるとよいのでは,とここ最近感じています。
例えば材料やアーティストとしての人材をその土地その土地の特色を生かして育て上げ,表現に結び付けるということです。
そこで,サスティナブルアートについて,美術関連の雑誌に掲載された論文を閲覧しようと,横浜美術館の美術情報センターに行きました。
目当ての雑誌は2誌。ところが一つは蔵書になく,もう一つは蔵書にあるのですが,私の見たい巻だけなぜか抜けているのです。
「横浜にはサスティナブルなアートは必要ない」と言われてしまったようで,がっかりしました。
まあ,確かに,横浜美術館のある土地は埋め立て地ですから,耕すわけにはいかないのかもしれませんけれども。
国立国会図書館にはあるようなので,閲覧してみたいと思います。