サラダ記念日

 

『新装版 サラダ記念日 俵万智歌集』

 

 俵万智 著

 河出書房新社

 

今年で創立30周年のとある施設に関わっているので,30周年という言葉に敏感に反応する今日この頃です。

 

スピッツは結成30周年。記念に特製ポータブルレコードプレーヤーを販売するそうです。いいなあ,欲しいなあ,特製でなくてよいのでレコードプレーヤー…。意外と安価に手に入るようで,(将来全く予定はないのですが)お店を開いたら,店内に音楽を流せるように買っちゃおうかしらと思っています。

 

『かいけつゾロリ』シリーズは刊行30周年。私はアンチ「かいけつゾロリ」派なので,ひそかに職場の書架から『かいけつゾロリ』シリーズの本がなくなることを願っている一方,いつも決まった時間に決まった座席に座って,ゾロリの世界に浸っている無邪気な子供たちの姿を目にし,彼らには必要なものなのだなあ思い,とれたページをせっせと修理して再び書架に並べるという,矛盾した日々を送っております。30周年記念発行本を職場に入れるか否か本気で悩んでいます。

 

「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日は…」『サラダ記念日』は発行30周年。発行当時読んだ私は,昔のものときめつけていた短歌に口語が使われているという意外性や,「文末が助動詞で終わらなくても短歌っていうんだ!」という発見に驚いただけでしたが,改めて読み返し,言葉の持つリズムの軽やかさと,意味の重みを巧みに使いこなす俵万智はすごいなあと感動しました。
感動のあまり,自分も短歌を詠んでしまうという大胆な行動に…。そしてまた,俵万智はすごいなあと何度も思うのです。