「東海道中膝栗毛
(21世紀に読む日本の古典⑱)」
谷真介 著
村上豊 絵
日本橋をスタートに道楽者の弥次さん,喜多さんが東海道を旅する珍道中記で,江戸時代の大ベストセラーになった作品です。
ものは壊すは,喧嘩はするは,人をだましたりだまされたり,やりたい放題なのですが,「旅の恥はかき捨て」を合言葉のように,後腐れなく次の地へと旅立っていきます。
何か困ったことが起こっても,洒落の利いた川柳を読んで笑い飛ばしてしまう二人の姿は,当時の人たちの人気を集める理由の一つでしょう。
作者の十返舎一九はこの粗忽者の二人とは対象に,とても真面目な人だったそうですよ。
神奈川宿での話も入っているので,そこで一九が「かめのこせんべい」について一言書いていてくれれば,かめのこせんべいもなくなることなく生き続けてくれたかもしれないのに…と思います。