武蔵坊弁慶

 

「武蔵坊弁慶(源平絵巻物語第二巻)」

 

 赤羽末吉 絵

 今西祐行 文

 偕成社

 

 京都の五条の橋の上で笛を吹いていた牛若丸に戦いを挑み,負けて家来になった話は有名ですが,他にも色々と話があるのですね。

 お母さんのおなかに18カ月もいたという話から始まって,自称坊主で寺に勝手に修行に行ったり,ライバルの坊主を屋根の上に投げ上げたり…

 中でも印象的だったのが,そのライバル坊主の戒円に,昼寝をしているすきに顔に墨で落書きをされてしまったところです。

 現代でも酔っぱらって寝ている人の顔にマジックでいたずら書きをする人が時々います。いたずらの内容はとてもばかばかしいのですが,これが昔から伝わるいたずらであると知ると,少し高尚な気がしないでもないですね。